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目の前に突然現れた大穴に当然焦るチュグ。
「マジか! ちょ! ちょ! ちょ! ヤバい! マジヤバい!」
「ヤバいのはわかってっからさ! はい! そのままアクセル全開!」
「まさか……」
「そ、飛ぶよ」
何言ってんだこいつは?といった顔で二世を見るチュグだっだが、二世はへラッと笑うのみ。さもこれが当然のような顔をされ、覚悟を決めるしかないと悟ったのか
「……しゃーねーな。俺のA級カ―スタント見せてやるよ」
「免許持ってねぇじゃん、チュグさん」
「うるせぇよ! クソッタレ!」
と、アクセルを踏みこむ足はそのままに、ハンドルをへし折るくらいに強く握りしめ、体は前のめり。免許取り立ての中年女性のような格好で
「おぉぉらぁああ!!!!」
チュグは吼えた。
「いぃーーーやっほーーーーう!!!!!」
二世ははしゃいだ。
見事トラックは大穴を飛び越え、追走のセダンたちは突如現れた穴に対処できず落ちてゆく。
こうしてようやく深夜のカーチェイスは終わりを迎えた。
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