一章 ~二人の便利屋~

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 目の前に突然現れた大穴に当然焦るチュグ。 「マジか! ちょ! ちょ! ちょ! ヤバい! マジヤバい!」 「ヤバいのはわかってっからさ! はい! そのままアクセル全開!」 「まさか……」 「そ、飛ぶよ」  何言ってんだこいつは?といった顔で二世を見るチュグだっだが、二世はへラッと笑うのみ。さもこれが当然のような顔をされ、覚悟を決めるしかないと悟ったのか 「……しゃーねーな。俺のA級カ―スタント見せてやるよ」 「免許持ってねぇじゃん、チュグさん」 「うるせぇよ! クソッタレ!」  と、アクセルを踏みこむ足はそのままに、ハンドルをへし折るくらいに強く握りしめ、体は前のめり。免許取り立ての中年女性のような格好で 「おぉぉらぁああ!!!!」  チュグは吼えた。 「いぃーーーやっほーーーーう!!!!!」  二世ははしゃいだ。  見事トラックは大穴を飛び越え、追走のセダンたちは突如現れた穴に対処できず落ちてゆく。  こうしてようやく深夜のカーチェイスは終わりを迎えた。
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