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「わかってけどさ、異常でしょ。アレは」
先ほどのカーチェイスのことを言っているのだろう。これまで二人はそれなりに危ない橋は渡ってきたつもりだったが、今回はいよいよ覚悟を決める一歩手前だった。
「まぁな……薬か、武器か。何にせよ面倒な荷物だってことだ。だからこそ、だろ?」
「見るんでしょ?」
「見ねぇんだよ」
「興味は?」
「ある」
「よし決定!」
と、ドアを開け飛び出した二世。そのままコンテナの扉を開けてしまった。
「おい! 二世!」
止めようとチュグも飛び出したが時すでに遅し。
「……チュグさん……」
コンテナの中で首だけを後ろのチュグに回し積荷を指さす。
「……最大級にヤベェ……」
もう相棒が見てしまったのだから仕方がない。腹を括り無言でチュグもコンテナに入る。中は真っ白で無機質な空間。トラックのコンテナには到底見えない。中央の棺のような物が今回の荷物なのだろう。そこから延びるケーブルが奥に鎮座している機械に繋がっている。エアコンの室外機のような稼働音だけが鳴る中、恐る恐るチュグもその積荷を覗き込むと
「……マジか……」
少女が眠るように横たわっていた。
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