金の王子か、銀の王子か

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 だが、事故現場より手前にインターチェンジがあるらしく。 「今なら、高速を降りられるわよ。  よかったわね」 と話しているのが聞こえてきた。  そのとき、背後から、少し戸惑うような声が後ろからした。 「だ、大丈夫だ、鈴。  もう山口だ。  一度高速を降りて、上がってもいいし。  一般道を走っても、そう遠くない」  尊だった。 「そ、そうですね」 「頑張って九州を目指そう」 と言われ、思わず、はい、と頷いてしまう。  征が聞いていたら、  だから、お前ら、九州になにがあるんだ、と言われそうだな、と思いながらも。
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