金の王子か、銀の王子か

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「君が鈴を大事にしてくれるのはわかっていたから、私は震えながら招待客のみなさんに謝って歩いた。  君に申し訳ないと思ったから。  そして、尊くんの手を取った鈴は、もう戻ってこないような気がしたからだ」  ぴくり、と征の眉が震える。 「ま、親の勘だけどね。  私は、どっちの肩を持とうとも思ってないよ。  より、鈴を幸せにしてくれる人に、鈴を託したいだけだよ。  なあ、ぽす」 と勝手にケージを開けて出てきて、肩に飛び乗ってきたぽすに向かい、言う。  滑り落ちかけるぽすを手で押さえながら。  でも、自分はもう、征と尊と、鈴がどちらを選ぶか、予想はついている気がする、と晴一郎は思っていた。  娘が一緒に居たからというのもあるが、無意識のうちに、尊を通したのは、家族用のリビングで。  征を通したのは、客用のリビングだったからだ。
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