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「お義父さん。
鈴との結婚を許してくださったこと、感謝致しています」
と言ったあとで、征は立ち上がると、床に正座し、頭を下げてくる。
「どうか。
もう一度だけ、力をお貸しください」
……うーん。
ちょっと変わってはいるが、人当たりのいい長男と違って、プライドが高いと噂の弟、征に頭を下げられ、晴一郎は困る。
「ま……、君がそれだけ本気なら、考えてみないこともないがね」
ぽすが右の肩と左の肩を行ったりきたりするのを落ちないよう、手でガードしながら、晴一郎はそう征に言った。
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