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「食べるんじゃないのか。
ソフトクリーム」
と尊は自分の後ろを指差す。
「そ、そうですよね。
お風呂上がりには、ソフトクリーム食べないといけませんよね」
「いや、そんな決まりはないけどな……」
と言いながらも、尊が買ってくれようとする。
「あっ、此処は私が奢りますっ。
お財布、とってきましたしっ」
尊には財布はいらんと言われたが、ちゃんとお金もカードも今度は持ってきていた。
「いや、俺が奢りたいんだ。
奢らせてくれ」
と言いながら、尊はソフトクリームを買ってくれた。
そのとき、思った。
もしかして、尊さんも同じことを思っているのかもしれないと。
九州にたどり着いたら、この逃亡生活を終わりにしようと尊さんは思っているのかもしれない……。
自分もそう思っているくせに、尊がそう思っていると思うと、胸が痛む。
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