金の王子か、銀の王子か

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「誰だ?  お父さんか?」 「いやー、友だちかもしれません」  あまり気乗りのしない式だったので、友人は招いてはいなかった。  来ていたのは、親戚と父の仕事の関係者ばかりだ。  それで、後日、パーティを催すことになっていたので、その話かも、と鈴は思った。 「まあ、さっき、今のテレビ見た? とかいう電話もかかってきたので、そういうのかもしれないですけどね」 と笑いながら、スマホの画面を見る。  さっき、  今の見た?  めっちゃ、笑ったーっと主婦の友だちから電話がかかってきて。  なにか急に日常生活に引き戻された気がした。  ますます、今の状態が普通でないと思い知らされたというか。
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