4212人が本棚に入れています
本棚に追加
「さすがですね、征さん」
と思わず、呟いて、
「お前も返したら、ただちに調教されそうだな」
と尊に呟き返される。
いや、私、ケモノじゃないんで……。
「……一応、帰ってみるか?」
横目に、チラとこちらを窺いながら、小声で尊が言ってきた。
だが、今度、戻ったら、そこで終わりな気がする。
でも、九州に着いたら、それはそれで終わりな気がするし。
苦悩する鈴は、画面を食い入るように見つめてみた。
「あっ、この壁!
どっかで見たと思ったら、うちの客間の壁ですっ」
この番号を征が知っていたことといい――。
「お父さんが悪の手に落ちたのかもしれませんね」
とこいつも悪の手に落ちてるんじゃないのかと不安になるくらい、征に懐いているぽすを見ながら、鈴は小声で囁いた。
最初のコメントを投稿しよう!