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「征との結婚は、愛のない結婚じゃなかった。
お前、戻ってもいいと思ってるんじゃないのか?」
「愛なんてありませんっ。
私の愛は、そこにはありませんっ」
私の愛は……
愛はどこにっ!?
と昔の青春ドラマのタイトルのようなことを思ってしまう。
そのとき、また鈴のスマホが鳴った。
はっ、と畳の上に置いていたスマホを見た鈴の頭の中では、何故か、ぽすがスマホを手にしていて、おうちに帰りたい、と泣いていた。
いや……今居るのが、ぽすの家なんだが……。
「も、もしもしっ?」
と出ると、いきなり、陽気な声が聞こえてくる。
「あ、すずーっ?
あんた、駆け落ちしたんだってーっ?」
誰だ、こいつは、と思ったら、大学のときの友人だった。
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