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「……そんなに遠くじゃない」
と言うと、あら、そうなの、じゃあ、今度行こうよと言ってくる。
そのカレー屋にか……。
どんな会話だ、と思っていると、
「ねえ。
式場から逃げ出すなんて。
あんた、その人のこと好きなの?」
と朋花は訊いてきた。
ちょっとどきりとしたのだが――。
「……ねえ、待って。
なんか食べてない? 朋花。
さっきから、なにか硬いものをかじってる音がするんだけど」
さっきから、カサカサパリパリ電話の向こうから聞こえてくるのだ。
お煎餅かなにか食べながら、かけているようだ。
「まあ、いいじゃん」
と言ったあとで、朋花は、
「ねえ、あんた、そのまま、ずっと逃げてるつもりなの?」
と鈴に言ってきた。
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