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いや、飼っているというか。
鈴の祖父が昔、ゴルフの帰りに山で轢いたと思ったら、生きていたので、
「このタヌキをやろう」
と言って、鈴にくれたのだ。
おじいさま、これ、フェレットです……。
そして、タヌキ飼ったら、鳥獣保護法違反です。
と思いながらも、その果てしなくタヌキっぽいフェレットを何処からか脱走したのだろうと思い、保護していたのだが。
結局、飼い主は見つからず、鈴の家で飼うことになったのだ。
……いや、今は、ぽすの話ではなかったな、と式の間、暇なので、何故こんなことになったのか思い返していた鈴は、父に言われた言葉を思い出していた。
「だいたい、そんな綺麗に産んでやったのに、今まで浮いた噂のひとつもないんだ。
これからもないだろう」
なんですか、その、今日倒産しなかったから、明日も倒産しないだろう、みたいなの、と思いながらも、鈴は反論しなかった。
自分でもそんな気がしていたからだ。
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