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「会長、あなたをリコールします」
全校生徒が集まった体育館で一人の生徒の声が響く。
艶やかな黒髪に大きな瞳と薄い唇、陶器のような白い肌の彼はこの学園の生徒会副会長の日向美咲だ。
生徒たちからも信頼もありアイドルのように祭りあがられている彼が、目の前の彼にそう告げた。
彼は一瞬驚いて目を大きく見開いたものの動揺することまなく不敵な笑みを浮かべた。
彼の名前は、降谷瑞希。
この学園の
生徒会長であるーーーー。
「瑞希、あなたはこの学園の生徒会長に相応しくありません」
キレイな顔を静かな怒りで歪ませて、
不愉快だと言わんばかりに睨みつける。
「おとなしく、会長の座を降りてください」
集会で集まった生徒たちは、何の言葉も発することなく
只々・・じっと見守る。
だが、会長の親衛隊隊長は違った。
壇上近くまで駆け寄り会長の姿を苦痛の思いで見つめていた。
今すぐにでも副会長の前の立って意義を唱えたい。
そんな思いを我慢して見守っていた。
「会長・・」
スポットライトに照らされた整った顔がいつもよりも神々しく見え髪が透けて金色にそして瞼の奥の青い瞳が細くなり何を思ったか声をあげて笑いだした。
「ク、クク・・アハハハハハっ・・・」
滅多に人前で笑わない会長に副会長も驚きやがてそれは怒りに変わる。
「何がおかしいんですか?」
今にも掴みかかりたいのをグッと我慢して声を荒げる。
すると、ゆるりと会長の体が揺れて顔をあげた。
「おもしろい・・・」
新しい玩具を与えられた子供のように目を輝かせて・・
そう、呟いたーーーー。
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