夏祭り

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「車で行こうよー」 「ダメ。駐車場までの道神輿が通るから封鎖って回覧板来てたから」 「マジか!婆ちゃんやっぱり俺服で行くよ」 「折角直したのに。迦具土君も着るのよ?だから翔平も着てちょうだい」 言い出すと、絶対逆らえないのはわかっていたのでガクッと肩を落として「わかった」と返事をし、豆腐とわかめのお吸い物を最後に飲んで、「道場行ってくる」と、食器をつけてから向かう。 バチッと静電気に触れた感覚がして、頭とか顔とかチクチクすると言いながら入ると、「おーまーえー!折角貼った結界壊す気か!」と怒られ、奥では祖父が本を見ながらあちこちに何かを置いて回っていた。 「ごめん!知らなかったから!」 「ちょっと奥で待ってろ。ここ直しておかないと……」 奥の畳部分に座りながら、二人が来るのを待っている間に、広げられた地図を見る。 町内周りに円が書いてあり、中心は大国さんの神社となっている。 町内の見回りどころか、ほかも見て回らないといけないんじゃないか?
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