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祖母も支度ができたと言うので、玄関に鍵を閉めたか確認してから祖父について行くと、神社とは反対の方向にむかう。
地図からするとかなり大回りとなるが、兄達が内回り経由で神社に向かったのだとしたら、俺達は外回り組ってことかと思い、祖父母について行く。
「爺ちゃん、大回りで神社に行くのなら……」
「あ、違う違う。こちら側にも小さいが神社があるんだ。そこに参ってから行こうという話になってな。大国様の神社と関係のあるところだから、お力をお借りできればと……あ、そこだ」
見ると、少し階段を上がったところに小さな祠のようなものがあり、その周りが黒く覆われている。
「これ、気持ち悪いやつ?」
「翔平、弓で真ん中を狙え。そうすれば散るだろう」
「え?壊れたりしない?」
「ものは壊さないんだ。婆さんは、その扇子を仕舞いなさい」
「あら、一振で風が出て便利だったのに」
婆ちゃん、一番武器を持たせたらいけない人だと思うのに……それだけ大国さんの力が大きいということなのか?
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