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「あー、あのさ、葵さん、だっけ? この学校の購買部ってどこ?」
「何買うの?」
「パン、昼飯、持ってきてないから」
まだ一時間目だというのに、気が早いなと思いながら私は真実を告げた。
「今日、月曜日だよ」
「だから?」
「月曜日は、パン屋さん休みなの。だから、必然的に月曜日はみんな、お弁当になります」
「……マジで?」
「担任から聞いてないの?」
「聞いてない……まあいいわ」
そして訪れた昼休み。まだ友達のいない転校生君は、一人でふらふらと教室を出ていった。
どこへ行くんだろう?
心配アンド興味がわいた私は、こっそり後をつけていった。
彼は屋上の水上タンクを背もたれにして、青い空を見上げていた。
美しい人は何をやっても絵になるんだなぁ。
そんなことを思って見ていたら、彼のおなかがぐうとなって、私は思わず吹き出してしまった。
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