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「告白、しないの?」
「グフッ」
当時のことを思い出しながら、お弁当を食べていた時、突然放たれた親友の言葉に、思わずむせてしまった。
「こ、告白?!」
心菜、何、急に言い出してんの?
「お昼、来てくれて嬉しんでしょ?」
「ちょ、詰まる、詰まるっ」
弁当箱のまだ半分も食べきっていない状況で、突然何を言い出すのやら。
慌ててお茶を飲んだ私は、思わず購買部へ行った健太郎が教室へ戻ってきていないか確かめてしまった。きょろきょろと首を動かす。
よかった。彼の姿はどこにもない。
ふうと息を吐き、もう一度お茶を飲む私に心菜が話しかける。
「自分でもわかってるくせに……いいの? 美青、このままで」
このままで、と言われても。
「健太郎がわざわざ会いに来るの、美青だけだよ?」
それは、お弁当があるから。
「本当にいいの?」
念押しするように心菜は言った。
「……うん」
結果はわかっている。
だって、健太郎は地元に……
……彼女がいる。
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