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「ま、もし抵抗がなかったらでいいからね」
洸……くんは、私とクールな男の子を見て言った。
「はい次、瑞希」
ミズキという名前は男の子と女の子どちらの可能性もあるけど、洸くんの視線でそれがこの男の子の名前なんだと分かる。
「新藤瑞希です」
瑞希くんは、いわゆる塩顔。
ミディアムの黒髪は、見た感じワックスなどはついていなさそうだけど、きれいに整っている。
上手な美容師さんがカットしてくれている証拠。
「よろしく」
瑞希くんはそれだけ言って、自己紹介終わり。という表情をした。
「え、終わり?」
洸くんが言う。
「もっとなんか……趣味とか、特技とか……」
「誰もそんなこと言わなかったじゃん」
「まぁそうだけと……」
洸くんの言いたいことは分かる。
でも、瑞希くんの気持ちも私は分かる。
私は名前以外に何を話そう……。
「まぁいいじゃん。これから徐々に知っていけば」
恭平さんはそう言って、私を見た。
ついに、順番が回ってきてしまった。
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