「好きなんだろ?」*琴羽side

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「あの……、私の他にはどんな人たちが来るんですか?」 一番気になるのはそこ。 もし事前に知っていたら、多少変わった人でも心の準備ができる。 「実際に会ったことはないからなんともいえないけど……。2人とも礼儀正しい感じだったよ」 ……よかった。 仲良くなれるといいな。 「あと一人は俺の従兄弟だしね」 「えっ、そうなんですか?」 「うん。うるさいけどいいやつだから、仲良くしてあげてな」 その言い方に少し違和感があった。 こんなに優しそうな人が、女の子のことをそんな風に言うだろうか。 「その子って、女の子ですよね?」 念の為に確認しておく。 「ううん、男」 「えっ!?」 驚いて脚がテーブルに当たった。 じんわりと痛みが広がる。 「女の子1人と男の子2人が来るよ」 従兄弟ではない男の子もいるんだ……。 ということは、女子校育ちの私が、今日から男の子3人と同じ家で過ごすということ……!? まだそれを受け入れる準備はできていないのに、ドアがノックされる音がした。 「お。来たかな」 寺田さんが玄関まで迎えに行き、私は落ち着かず手をさすり合わせた。
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