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まるでガキのカイルを、レイラは微笑んで軽くあしらう。
「それにお姉ちゃんってのやめろ!
お前は俺のお姉ちゃんじゃないだろ!」
「あら、昔はお姉ちゃんお姉ちゃんって、お姉ちゃんのあとを着いて来てたじゃない、まるでストーカーみたいに」
「い、いつの話だ! もう俺は子供じゃないんだ!」
「可愛かったなぁ、あのころのかーくん」
「話を聞けぇ!
今の僕は……いや俺は、あのころのように貧弱なボーヤじゃないんだ!
強く、たくましい、偉大な男になるんだあああああああああ!」
「お姉ちゃんのために?」
「なんでだよ! 俺のためだよ!
これから行くダンジョンは、そのための第一歩なんだ!
だから絶対に行くぞ!
行くったら行くんだああああああああああああい!」
まるで駄々っ子のように駄々をこねるカイルを。
レイラは、困り顔ながら、それでもどこか嬉しそうに見守っていた。
そして。
ふたりはやってきた。
ダンジョンの、その入り口に。
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