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認めてしまえばいいじゃない。
そんな心の声が聞こえてしまう。
もう一度、恋がしたい。
でも、緒方君はダメなの。
緒方君だって、わたしじゃきっと、ダメだと思う。
わたしが相手だと、きっと構えてしまうと思う。
でも。やっぱり待って。
こんな時間。メールしたらダメよ、菊乃。
非常識にも程がある。
でも電話じゃない。
緒方君――。
無意識だったかも。
メアド、打ち込むのはアドレスに入れておく為。
そんな言い訳を自分自身にして入力しているうちに、本分、ちょっとだけ、なんて。
手がすべったの。
そんなわけない。
バカね、わたし――。
『夜分遅くに失礼します。今少し資料整理していて、近藤恵果さんの件が気になって、メールしてしまいました。
この前といい、本当に、ごめんなさい』
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