カルテ6 微熱

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 認めてしまえばいいじゃない。  そんな心の声が聞こえてしまう。  もう一度、恋がしたい。 でも、緒方君はダメなの。  緒方君だって、わたしじゃきっと、ダメだと思う。 わたしが相手だと、きっと構えてしまうと思う。  でも。やっぱり待って。  こんな時間。メールしたらダメよ、菊乃。 非常識にも程がある。 でも電話じゃない。 緒方君――。  無意識だったかも。  メアド、打ち込むのはアドレスに入れておく為。 そんな言い訳を自分自身にして入力しているうちに、本分、ちょっとだけ、なんて。  手がすべったの。  そんなわけない。 バカね、わたし――。 『夜分遅くに失礼します。今少し資料整理していて、近藤恵果さんの件が気になって、メールしてしまいました。 この前といい、本当に、ごめんなさい』
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