カルテ6 微熱

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 文面がどうこうなんて、送信してから後悔するもので。  ああ、本当に馬鹿! と携帯をベッドに放り投げた時だった。 メールの着信。  え!? と慌てて携帯を手に取り、タップして確認すると、それは彼からの返信だった。 震えそうで。 文面を理解するのに、少し時間が掛かった。 『僕はまだ起きてたよ。 翠川さんが気になることがあった時、いつでもメールしてきて大丈夫だよ。 ああ、電話でも』  緒方君の声が聞こえてきそうな言葉が並ぶ。 わたしは思わず携帯を落としていた。  ど、どうしてくれようか。 これは、どう受けとる? この、あまりにも自然でイヤミのない文面が、わたしを疑心暗鬼にさせる。  これは、駆け引き?  わたしは、メールで返すか、電話で返すか、なんて迷ってはいなかった。  呼び出し音が、2回くらいで、彼は電話に出た。 「こんばんは」  その声は、甘く、優しく、柔らかく――。
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