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30年も付き合った自分の身体。
その日の体調は朝、目覚めた瞬間、分かるもの。
今朝は最悪だった。
全身だるくて、貧血気味。
手足のむくむ感触が全身の倦怠感を誘発していた。
けれどこれは風邪などの疾病ではない。
生理が近い。
ベッドの中から手を伸ばして目覚ましを取る。
見ると、いつもの起きる時間より、少しだけ早かった。
具合の悪さに加え、頭の痛い案件によるストレスが目を冴えさせていた。
これは病気じゃないの、と自分に言い聞かせ、わたしは二度寝の誘惑を封印した。
起き上がって机の上にあった携帯を手に取る。
玲さんからとんでもない慰謝料請求を突き付けられることとなった昨日、当方のクライアント、近藤恵果さん元に速攻で出向くこととなった。
恵果さんご本人から電話が入ったのだ。
当然、彼女の元にも例の内容証明は送られており、仕事が終わってから、なんて悠長なことを言っていられる状況ではなくなったのだ。
恵果さんの職場近くにあるホテルのカフェで会い、困惑仕切りの彼女にわたしは丁寧に、かつ慎重に話しをした。
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