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丸の内線の四谷三丁目から地下鉄に乗って、どう乗換をこなしたのか、覚えていない。
立川で我に返り、乗り過ごす寸前、慌てて下車した。
ホームから改札がある賑やかなフロアに出て、急に貧血に襲われ、目の前が真っ白になった。
そうだ、わたし、具合悪かったんだ。
膝が折れて、倒れるまではいかなかったけれど、その場に崩れ落ちた。
駄目だ、立てない。
しゃがみこんでしまったわたしの傍に、誰かが来た。
「大丈夫ですか?」
フワッと石鹸のようないい香りがして顔を上げると、可愛らしい女の人が少し身を屈めて心配そうにわたしを覗き込んでいた。
わたしはその顔を見て、あっ、と声を上げた。
知ってる顔だった。
「ひよりちゃん?」
遼太の奥さんだった。
わたしの顔を見た彼女も驚いた表情を見せた。
「菊乃さん? 菊乃さんですよね?」
まさか、こんなところで会うなんて。
久しぶりね、元気? 遼太によろしくね!
なんて言って軽快にこの場を去れたらよかったのに。
無理だった。
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