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私は学校の屋上が好きだ。
嫌いな授業だけサボってここに一人でいるのが好き。
普段、屋上は立ち入り禁止。
だから誰もいない。
だから好きだったのに
最近 私と同じようなサボり魔が現れたのだ。
「そこ俺の場所なんだけど」
話したこともない相手にそう言われた。
顔は知ってる。クラスは隣。
校内ではそこそこ有名で
他校に彼女がいるのも大体の生徒が
知っている。
「なぁ、聞こえてる?」
もう一度そう言われ
私は仕方なく寝そべっていたベンチから
体をゆっくりと起こす。
「何 お前サボり?」
ドカッと隣へ座られた。
「別に いつもこうだけど」
「へー、珍しいヤツもいんだな」
「いや笑 あなたに言われたくないよ?」
そう言うと彼は鼻で笑った。
つられて私もちょっと笑った。
それから週に2、3回はこの屋上で私達は
顔を合わせていた。
意図的にじゃなく
いつも通り嫌いな授業の時だけ
屋上に行くとちょうど彼も居たりするのだ。
もちろん居ない時もあるけど。
気づけば何でも話せる仲になっていた。
向こうはただのサボり仲間としか思ってないだろう。
だけど私は
知らないうちに彼の事が好きになっていた。
彼女がいるこの人の事が。
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