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ここ二、三百年のあいだ、世間で魔女狩りなんてものが流行っちゃって、不思議な力を持つご主人さまは、世間の迫害をもろにかぶっちゃったんですよね。
今じゃ、すっかり、ひきこもりになってしまったのでございます。
お優しくて、優雅で、たいそうお美しいご主人さまなんですけどねぇ。ちょっと繊細すぎて、打たれ弱いのが難でございます。
シャルランがお守りせねば、一日たりと生きていけないでしょう。
「ご主人さまぁ。魔女狩りの時代は終わったんですってばぁ。今はまた占いや、おまじないがブーム! 神秘主義到来なんですよぉ。だから、お城に行っても殺されませんよ」
あたしは、えいやっと勢いよく、ふとんをひっぱがしました。
おおっ、まぶしい! 光り輝いております。
透きとおるように白い肌。
紫水晶の瞳。黎明の空のように、深く澄んだブルーの髪。
その面差しは、そこらの美女など及びもつかないほどの麗しさです、はい。
これが、シャルラン自慢のご主人さま。ビュリオラさまです。
お美しいのは、それもそのはず。
じつは、ここだけの話。
ご主人さまは、青い薔薇の精なんですよ。
え? あたし? あたしは、ただのみなしごの人間です。
小さいころ、ご主人さまにひろわれて、育ててもらいました。
いえいえ、あたしのことなんて、どうでもいいんです。
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