第4章 狼の気持ち

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狼煙間は、腕を組み、矢木のことを仁王立ちで見下ろしている。 「……俺の事が嫌いなのか?」 「ち、違う!」 「じゃあ、何で俺から逃げるんだ」 狼煙間は、低く憂鬱そうに矢木を問いただした。その口調には、今までの矢木の不可解な行動への、狼煙間の呆れと不快感が込められているように思えた。事実、狼煙間には、随分と不愉快な思いをさせていることだろう。親友が理由も分からず突然距離を取ったり、ZOOを抜けるかも知れないと不安にさせたりしているのだから。 矢木は、自分の勝手で狼煙間をこれ以上悩ませる事は出来ないと思った。 (……もう、嫌われてでも、本当の事を言うべき時が来たのかもしれねぇ……) 「……服、着て来いよ。もう逃げねぇからさ……」 全部、話すから、と言う矢木の言葉に、狼煙間は不満そうではあったが頷いた。
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