第5章 恋人

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狼煙間は、矢木の鎖骨に顔を埋め、のしかかって矢木の動きを封じた。 「たっ、頼むから! 狼煙間! 待てって! やり方とか知ってんのかよ!」 「安心しろ。何度もシミュレーション済みだ」  それはつまり、狼煙間は矢木をオカズに……。矢木がどう言ったものかと口ごもっている間にも、狼煙間はさっさと矢木のズボンに手を突っ込み、矢木のペニスを握り込んでしまった。 「いっ! やっ、やめてくれっ! 狼煙間っ! マジで……っ! ヤベェからっ!」  矢木はぎゅっと目を瞑り、狼煙間の肩を押さえた。股間を他人に触られたのは、これが初めてだ。しかも、それが狼煙間なのだからたまらない。押し返すように腕を突っ張ってくる矢木に、狼煙間は動きを止める。そして、笑いかけながら呟いた。 「お前も勃ってんぞ、矢木」 「はっ……!」  矢木は、ようやく自分が勃起していることに気づき、涙を浮かべて真っ赤になった。
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