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「矢木。どうせこのままじゃ帰れねぇだろ。いい加減覚悟決めろ」
狼煙間は強く矢木に迫り、矢木の唇を奪う。
「んっ! んんっ……!」
矢木は狼煙間を押し返そうともがいたが、狼煙間がいきなり舌を入れてくると、その抵抗が弱まった。舌と舌が絡み合い、矢木の口からどちらの物とも付かない唾が零れる。
「はっ……はぁ……っ」
しばらくして狼煙間が離れた頃には、矢木は肩で息をして呆然と狼煙間を見つめている。初めてのディープキスで、息の仕方が分からなかった。
「……っ……」
矢木は、緊張と興奮で小さく震えながら、目の前の狼煙間の顔を凝視した。狼煙間は、いつになく頬を上気させ、唇を物言いたげに薄く開き、切なそうに矢木を見つめている。狼煙間のこんな顔を見るのは、矢木でも初めてだった。
「ぁ……」
矢木が何か言う前に、狼煙間が口を開いた。
「なぁ、矢木。俺……もう我慢できねぇ」
狼煙間は、切羽詰まったように自分のズボンの前をくつろげた。
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