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(なんて顔してんだ……)
狼煙間は、悩ましく眉をしかめ、唇を噛んでいる矢木の表情を見つめ、深く喘ぐ。矢木の中は熱くて気持ちいい。いつも自分でするときより遙かに興奮しているせいもあり、少しピストンをしただけで、狼煙間はもうイッてしまいそうだった。しかし、矢木との初セックスで、そんな醜態は晒せない。狼煙間は口を引き結び、矢木の首に顔を埋めて、快感をグッと堪えて腰を動かし続けた。すると、狼煙間の耳元で、矢木の甘い喘ぎ声が上がる。
「あっ……! あ……っ!」
どうやら、矢木のアナルの良いポイントを、狼煙間が突いたらしい。
(ここか?)
狼煙間が試しに腰を突き上げると、矢木の身体がビクンと仰け反った。
「んんっ!」
矢木は手の甲で口を押さえ、ふーっ、ふーっ、と荒い息を吐いている。狼煙間は少し身体を起こし、矢木の顔をのぞき込んだ。矢木は、涙を浮かべた目で、確かめるように狼煙間を見つめ返す。
「矢木……すげぇ、可愛い」
「……! そんなん……女の子に言えよ」
矢木は照れ隠しのように呟くと、ためらいがちに狼煙間の背中に腕を回し、引き寄せた。
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