第2章 宵ノ口

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「あ!部屋同じ!!やったー運命!?」 「運命かどうかは知らんが、お前でよかった…あと一人は誰だ?」 ( ーーーーーーーー神様、ジェラルド様、ジェラルド様!!) 「じゃーとりあえず入ろうよ…待ってればそのうち来るっしょ?」 「あぁ、そうだな…しかし荷物も何も無いが、向こうで揃えてくれるのか?」 「かもね~おぉ、ムショよりは広いね!」 「狭いのか、広いのか…わからんな」 出迎えてくれたのは、刑務所を4個並べたくらいの、大きい(・・・のか?)部屋である。奥の方に三人分のベッドが並べて置かれ、テーブルとソファ。一応と言わんばかりの本棚。…だけ、である。 「む……。あぁあった!トイレと風呂は二部屋合同みたいだねー繋がってるよぉやっほー」 「そ、そうか。では今日は・・・もうこのまま就寝かな?」 「そーかもね。じゃーアキトくん先入れば?みんなに言えることだけど臭いよwww」 「そうか?自分では気づかないものだな。では、入らせてもらう……」 かちゃん。 可愛い音の奥にあったのは、バスルームである。隣に小さな洗面台と、個室のトイレ。バスルームに扉をさらに開けると、シャワーと鏡、湯船が並べられた様に収まっていた。 「・・・ねぇ、そろそろいいでしょ。出てきなよ?」 「……いつから気づいていたのです?」 声に続き、堂々とした姿で現れた、一人の少女。 「私は林芽。ーーーーージェラルド様に代わりーーーこの世の神の代理人」 囚人服であろう縞模様の服をオフショルダーにし、中に黒いインナーを着ている。上手い具合に縫い合わせたもので、ズボンはスカートへ変わっていた。ロングブーツを歩く度にコッコッと鳴らし、サイドの髪は長く、バックの髪はショートカットである事を抑えても印象深いのが、その顔である。おでこは何やら、十字架が、上下は内側に、左右は外側に開いている模様の入った黒いターバンに隠されていて、さらに鼻から下も、先の方に黄色い玉のついた黒いストールで覆われ、ゆういつ残された目は、右がマゼンタ、左がシアンという、所謂オッドアイである。その風貌には、違和感しか懐くものが無かった。
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