ひとときの夢と過去の思い出

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その出来事が起こって以来、安静の為に退院のための期間が伸び、散歩の時も一応注意がはらわれることとなった。 結局、復帰出来始めたのも中学生になる少し前だった それで… 「……、坂田!」と 突然その夢から引きずりだされた その声は話し終わった先生から聞こえてきた ものだったようだ。 「なんですか先生ぇ?」少し不服そうに言う 「授業で寝るな!」 「はーい」と言って夢の続きを見たいが為にに顔を机に埋める。 「こら!寝るな」そう言われ無理につまらない授業を聞かされることとなった クラスで軽い笑いが起きる このやり取りはいつもの事なんやから それなら最初から見て注意しとけばええのに なんて心の中で思いながら起きて授業を聞く ペンを持ったがノートは白紙である 軽い拷問のような時間が過ぎていく 手持ち無沙汰の為、窓の外を覗く 今朝よりもだいぶ雨が強くなっている 雨がひたすらに窓を叩く その光景を呆然と眺めて時間を過ごす そして終わりの鐘がなる。 クラスメイト達が休憩のために動き出す そしていつもの様に 「はい、いつもの授業の写し」 そう言って親友からノートを渡される 「いつもありがとな、あの先生無駄な部分があるからこれが一番ええねん」 渡してもらった少し後だろうか? 自分がある程度書き写している途中に 「ちょっと行くとこあるから」 そう言って西上は教室を出ていく 何か違和感を感じ、受け取ったノートを書き写しつつ、出ていくところを見る。そうするとトイレとは逆の方向に向かって行った。 その時違和感の正体に気がついた 「いつもなら休み時間は寝て過ごしているのに珍しい、トイレは逆の方向やし」 トイレ行くだけならわざわざ用事があると言って出る必要が無い。 他のクラスに話に行く相手居らんやろうし そもそも休み時間寝てない方が稀なのだ 帰ってきたら聞くか なんて事を思いながら、ノートを書き写していく このノートは見やすいって事で知り合い、友人に、貸し出すことが多い 自分では何となくで改変しながら書いたものだが そう言われてからは字を丁寧に書くように心掛けるようになった。 少しだけ字が上達したと思う それは、今はそれはいいや ノートを書き写し終わったあともまだ戻ってこず 帰ってきたのは三限の授業が始まるぎりぎり前だった 「何処行ってたんや?」 ノートを返すように差し出しながら聞く
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