一つの転機

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先輩に任せてる間に自分は新校舎の方に向かう この学校は人数の関係上 後から増設した新校舎と旧校舎に別れている 新校舎は高一が学ぶ場となっている 自分が向かっている場所は教室ではなく職員室だ 自分は傘の持ち主の名前は疎か、顔すら知らない そして探している物が市販の傘となれば見つかるはずもない でも、西上は顔に見覚えがないと言っていた 自分たちの通学電車は田舎方面の為 その方面から来る人は多くない、それで知らないとなると… その答えの確認の為に職員室に入り担任の先生に聞く 「先生、今年に入ってから来た転校生、もしくは最近学校に通い始めた人は居ますか?」 「なんだ藪から棒に……転校生が居るよ、高校1年に。最近、朝の連絡会議で転校生が来た事の話されたからな」 内心ガッツポーズをしながら 「多分女子じゃないですか?もしそうなら名前とクラス教えて貰えませんか?」 少しだけ悩むと待ってろと言って 名簿を取ってくる。そこの名前の書かれた欄を指さす 名前は若林さん、1-3組だ その事をしっかり記憶させる 「但し変な事するなよ。面倒はゴメンだからな」 そう言い残すと先生は、自分の机ではないどこかに向かった 「了解です。ありがとうございました」その後ろ姿に、頭を下げ職員室からでる 感謝しつつ階段前に戻るのだった
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