ひとときの夢と過去の思い出

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1週間ぐらい、ほぼ一方的ではあったが、話しかけていた 「今日は球技大会があってなー、うちのクラスが優勝してなー、他にも先生が…」 時折頷き返してくれる。その事に喜びを覚えつつ 病院での時間を過ごす そして葬式の日 西上は車椅子に乗りながら参列式に来た。 彼の父親に押されながら、そこに座っていた 彼の母親はとても明るく快活な人であった為、涙を流している人が多く見られた……気がした 最後の見送りを行う、様々な人達が花を手向けて行きつつ、最後にその2人が花を手向けに行く… 父親は静かに名前を呼びながら静かに号泣していた その顔は悲しみに満ち溢れていた 西上は……悲しみを感じていただろう でも涙を流すことは無く、悲しみとは別の感情が 含まれているように…そう感じた そうして最後の見送りを済ました後 父親は遺骨を取りに行った 西上は病院に送られて行った 自分は親の車に乗って帰る。 窓を覗きながらで思う。 これから自分はどうすればええんや? どう接すればええんや?そう悩んでいると 窓ガラスに水滴がついた どうやら雨が降ってきた来たようだ その空模様に不安を覚えつつ、何も解決しないまま車に揺られ帰る。 徐々に雨の勢いは増していく……
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