ひとときの夢と過去の思い出

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それからというもの、面会時間に会える時、時間が合う日はなるべく会いに行った 医師の方からも許可が出ていた為、そこら辺はかなり自由に会いに行くことができた 葬式に行ってから少しだけ反応が多くなった…様に見える 良くも悪くもあの日は変化を与えたのだろう 完全に無気力、という訳では無くなった 彼の父親は……入院費などは払っているようだが 会いに来ることはほとんどないらしい あったとしてもすぐ行ってしまうという この様な生活を一年近く続けた 最初は一方的に語り掛けていた状態だった でも少しずつ反応が多くなり 返答も返してくれるようになって 今となっては自分以外の人であってもある程度話せるようになった… 退院も近いだろう日とされていたとある日 その日は病院内のベランダの様な所に出ていた 所謂、散歩時間などと呼ばれる時間だ いつもの様にたわいも無い会話を交わす 「…で、あいつがこういったんや!将来の夢は宇宙飛行士になるって!父さんは工具屋を継げって言われたけども、それでも自分は宇宙飛行士になるって、そして拍手が起きてなー…」 「父さん…か」と西上は呟く 今更ながら自分が地雷を踏み抜いたことに気がついた でももう遅い、考えさせてしまったのだから 「お前の父さんはきっとお前の為に頑張ってるんやて!」と急いで取り繕う そうすると西上は横に首をふり 「父さんが自分と顔を合わせたくないのは何となく分かってる」という 「自分は母さん似だって昔から言われてたから、思い出したくないんだと思う…」小さくそう呟く 「それは…」と自分は狼狽える 「でも自分も父さんとはあんまり会いたくないから助かるんだけどね…」 と複数の感情が入り交じった顔をして話した 「……なんでや?」そう尋ねる
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