妖怪とわたし

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わたし、杉崎彩香(スギサキアヤカ)は幼い頃からこの世のものではないものが視える。 というのも私の先祖に陰陽師がいるとかなんとか。 あと祖母が視える人だったらしいとかなんとか。 両親からそんな話を聞かされたけど私にはどうでもいいことだった。 視えたところで何かができる訳でもこちらから何をするわけでもないのだから。 視えることは友達には話さない。 小学生の頃はそれでいろいろ面倒なことになったし、変な目でも見られてなんだか疲れてしまったから。 でも、私はそれなりに楽しい生活を送っている。 友達もそれなりにいるし。 それに実際幽霊とか向こう側の住人たちはテレビドラマとか映画とかで観るような怨念をもった怖い存在とは少し違う。 中にはそういう類のものもいるとは思うけど一般的に私たちの前で普通に暮らしているのはもっと明るい存在だと私は思う。 ほら、あそこの公園の池で水遊びしてるのはカッパの親子であっちは白いワンピースの女の子が花を摘んでる。 なんだか微笑ましい光景。 特に私が視るものたちはそんなのばかりだ。
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