第2章 解決

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それからというもの、放課後になると、猿渡は矢木にべったり張り付き、勉強を見てもらったり、相談に乗ってもらった。 それもこれも、狼煙間を矢木に近寄らせないためだ。 狼煙間はと言うと、勉強している二人と一緒にいるわけにもいかず、猿渡に矢木を取られ、機嫌を損ねて犬井にあたっている。 ある放課後。 「おい! 馬鹿猿!」 矢木と猿渡が勉強をしていると、犬井が部屋に駆け込んできた。犬井は機嫌が悪そうに猿渡を睨み付け、指を突きつける。 「何だ」 猿渡は不機嫌そうに犬井を睨み返し、鼻を鳴らした。 「お前が矢木さん取ったからって、俺が狼煙間さんにあたり散らされてんだぞ!」 「悪いなぁ、犬井……」 矢木は狼煙間の機嫌の悪さをよく分かっていたので、申し訳なさそうに頭をかいた。猿渡は謝ることないですよ、と矢木を見て、犬井を手で追い払うような仕草をした。 「勉強の邪魔だ。出てけ」 「うっせーがり勉がっ! 大体、何でお前そんな必死こいて勉強してんだよ! 中間テストでトップのくせによ!」  犬井はポケットに手を突っ込み、子供のように猿渡をなじった。
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