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「トップ? ……3位に落ちたんじゃなかったのか?」
矢木は怪訝そうに犬井に尋ね、犬井はとんでもない、と首を横に振る。
「こいつ、クラスどころか、学年トップだったんスよ!」
「……」
矢木は猿渡をじっと見つめ、猿渡はしまった、と言う様に視線を逸らす。
「とにかく、明日はゲーセン来て下さいよ! このままじゃ、俺の美尻がこの猿みたいに真っ赤っかになっちゃうんスからねっ!」
犬井は、ぷんぷん怒りながら出て行った。
「猿渡、どういう事だ?」
矢木は怒っている風でもなかったが、静かに猿渡を問いただす。何か理由があるのだろうが、猿渡は矢木を騙していたのだ。
「……その……」
猿渡は、言葉を探した揚句、言い訳するのは諦め、ため息をついた。
「勉強見て欲しかったのは、嘘です」
「は?」
矢木はどうして猿渡がそんな嘘を吐いたのか分からず、訝しんだ。
「……俺、狼煙間さんと矢木さんを引き離したかったんです」
「……どういう意味だ……?」
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