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そんな市ヶ谷部長が大阪に来ているのだ。
智久さんも取引先との飲み会が入ってしまったし、お酒を飲まないまでも少し食事をして近況報告──。
……のはずだった。
「どういうことですか」
市ヶ谷部長と待ち合わせをした中華料理屋で席に案内された瞬間口をついて出たのは、非難の言葉だった。
「だって、きみが連絡をくれないから」
案内された個室には、困惑顔の市ヶ谷部長と──なぜか虎太郎さんがいた。
「あのう……?」
個室のドアを開けたところで突っ立ったままのわたしを見、店員さんが戸惑っている。
市ヶ谷部長は、目を細めた。
「……まあ、立ち話することでもないし。鈴木さん、とりあえず座らないか」
「……」
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