赤い靴

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 大きめの傘を持ってきてよかった、と思いながらノイマンさんを連れて校舎を出る。  ゆっくりと歩きながら、雨が傘を叩く音に掻き消されそうなくらいの声でノイマンさんがぽつりと呟いた。 「……確かにあなたの言う通り、私はクラスに馴染めてはいないわ」  見つめた先で、けれど彼女はしゃんと前を向いていた。 「みんな私の見た目が自分達と違うのが気に障るのね。でもこの髪も瞳も、パパとママが与えてくれた素晴らしい宝物だわ。私は何を恥じる必要もない。言いたいやつには言わせておけばいいのよ」
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