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『おいで、シェリー』
なんだか恋人みたいなことを言ってる……シェリーが赤い顔をしてエディの隣に立った。エディがシェリーの腰に手を添えている……
「あの、エディ、シェリーはダメだよ」
僕はきっと変なことを言ってるのかもしれない…
「無理だって! エディ、知らねぇのか? シェリーは男は」
「そんなことどうでもいいから。僕らはステディになった。弟くんたちに伝えたよ、シェリー」
「ええ……私ね、あんたたちがいなかった間、ずっとエディに支えてもらったの。嬉しかった。だから……」
「リッキー、僕は熱が上がったみたいだ……なんか幻聴が聞こえる……」
だってシェリーは同性愛者だったはずだ……
「ホントに!? ホントにエディとシェリー、ステディになったの!?」
リッキーの声が弾んでいる。
「そうだってば!」
「ソロリティとか親衛隊とかは?」
「もうサヨナラするわ。エディといたいから」
「本気、なんだね?」
僕はやっと現実として受け入れ始めた。買い物部隊がにやにや笑いながら出て行った。
「本気だよ。僕は真剣にシェリーと付き合うつもりなんだ。君たちの許可をもらう気は無いからね」
「……何が何だか分からないけど……でも、それでシェリーが幸せなら」
「幸せよ、フェル。彼になら安心して寄りかかれるの」
「エディ、シェリーを頼むな! 泣かせたら承知しねぇぞ!」
「もちろんだ。彼女のことは任せろよ」
「すっげー! 俺たちいない間にこんなことになってたなんて……な! フェル」
「そうだね」
正直まだ驚いたままだ。消化するには時間が要るのかも。
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