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りゅうせいぐんがくるらしいね
相変わらず平仮名だらけのメール。
天気予報を見る。
明日は晴れるらしい。
ほし、みにいく？
真似して平仮名で返事をした。
ちょっと素っ気なさ過ぎたかな。
いきたい
ほんとはその返事に小躍りしながら、でも平仮名で静かに返す。
じゃ、あしたね
あしたまたれんらくする
平仮名だけで伝わるかな、この気持ち。
急いで車を洗う。
普段はちょっぴり面倒なこの作業も平仮名のおかげでとても楽しい。
助手席に乗る君の横顔を想像しただけでなんだかドキドキ。
2人で会うのは明日が2度目。
坂を降りて川を渡って君の家に着いた。
ついたよ
いまでてく
なんだかいつもより楽しそうな顔の君をみてまたドキドキ。
今日は秘密の場所に連れてってあげる。
他の人には言わないでね。私だけの場所にしておきたいから。
そう言って山道を登る。
ちらっと助手席を見たらご機嫌な君。
小さな山の頂上の少し手前、細い林道を進むともうすぐそこだ。
木が大きな腕をたくさん伸ばしてるような森の中、そこだけぽっかりと空が見える。
着いたよ、降りよう
車から降りた君の
うわぁー何これ？すごい！
そんな声もいつもより楽しそうで私も楽しい。
私はボンネットの上に座って、
ねえ、おいでよ！
と誘う。
2人でフロントグラスに寄りかかりながらびゅんびゅん流れる星たちに声をあげてはしゃいだ。
こんな星みたことない
ほんと？良かったよね、晴れて
うん、連れてきてくれてありがとう
まだまだ星は流れてる。
私は星と君を見るので忙しい。
君が急に黙った。
次の瞬間、左手に君の右手が重なった。
嬉しくて恥ずかしくてドキドキして、どんなふうに握り返せばいいのかわからない。
初めて手を繋いだ日にはまだわからなかった。
何度も手を繋いで、時にはその手を離して。
心も繋がったり離れたり。
それでもことしもきみとりゅうせいぐんをみにやまみちをのぼる。ぺるせうすもこれで15かいめだよ。
らいねんもまたみよう。
ひらがなからはじまったこいはいまもここにある。
いっしょにくらしているいまも、わたしときみはひらがなだらけのめーるでたしかめあう。
ごはんはなに？
ないしょだよ
はやくかえっておいで
わかった
すきよ
うん、すき
すき
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