雨の中に…

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せめて、私が私で居るうちに貴方に必要とされたかった。 こんなに好きになってしまってからでは何も出来ないの… もう引き返せない、そんな処まで来てしまった。 恋は本物の麻薬、全ての感覚と感情が支配されて身動き出来ない。 ジメジメした空気が全身に纏わり付く。 「湿度が高いわね。」 冷えた水を冷蔵庫から取り出し一気に飲み干し、 濃いグレーの空を睨む。 何やってるんだろう?生きてる意味?何それ? 憎悪と悪意に抗おうとする良心。 ああそれが生きてる意味か。笑ちゃうよね、呆れてしまう。 自分という存在に… 貴方の為なら何でも出来る、言ってから分かったそんなの無理だって。 でも叶わない望みでもせめてひと時でも良い、愛されいる実感が欲しかった。 一緒にいる10分で満たされる溢れる程にキャパシティーは縮小して居たのね… だから充分だったの、飢えていたから全身に廻る麻薬に気付く事すら出来なかった。 最初に愛されたのも雨の日。 だから貴方と居られない雨の日は嫌い。 愛された思い出に押し潰されそうになってしまうの。 だから雨の日は大嫌い。
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