序章 16歳のカミングアウト

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この人気の姫が今日、この誕生日式典で何か重大な発表をすると言う噂が流れた。 その重大発表を聞くためだけに数万人の人間が集まり、姫の登場を今か今かと待ち構えているのだった。 暫くののち観衆がどっと沸いた、城のテラスにピンクのドレスを着たシャルロット姫が満面の笑顔で手を振りながら男女二人の騎士を連れ立って現れた。 「姫様!!シャルロット姫様~~~!!!」 「お誕生日おめでとうございます!!姫様ーーーー!!!」 「キャーーーーッ!!姫様素敵ーーーー!!!」 「姫姉様----!!」 大歓声が瞬く間に大広場中の観衆に拡がっていく。 老若男女の大歓声、どれだけシャルロット姫が王国中の国民に愛されているのが分かるだろう。 程なくして姫がテラスの中心に立ち、右に青い軍装の男の騎士、左に赤いメイド服の女の騎士が立った。 姫が観衆に対して両手の平を下に向けると歓声が徐々に治まっていく。 そしてシャルロット姫はおもむろに口を開いた。 「愛すべき国民の皆さん、遠方から来てくださった皆さん、今日はわたくしの16歳の誕生日にお集まりくださりありがとうございます」 スカートを両手で掴み上げお辞儀をするシャルロット姫。 優雅で煌びやかなその姿に広場に居る全員がその美しい姿に目を奪われ、ため息を吐く者すらいた。     
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