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その家は真夏にもかかわらず、ひどく静かで涼しかった。
…正直助かる。この熱波のなか室内まで暑いのならやっていけない…。
私は頭からつま先まですっぽりと覆った防護服の襟元をさわり仕込んだ無線に語りかける。
「こちら001、被疑者の玉弓ケズルの家に侵入した。くりかえす。こちら001 …」
すると、イヤホンからすぐに返事がきた。
『001へ、こちら中継基地、感度良好。報告を頼みます。』
私は室内を見渡す…特に変わった物はないようだ。
靴箱にあがりかまち。
飾りなのか靴箱の上にはガラスケースに入れられた黒い球体がある程度。
しかし、それを見た私は静かに息を吐いた。
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