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久しぶりに明から受ける行為は
怜にとって、過度だけれど甘美でもあった。
明が怜自身を擦り上げる度、身体が記憶している感覚と共に快感がせり上がる。
先走りを怜自らも感じ、無意識に腰を浮かす。
「ア、アキラ、ソファ汚れる……」
快感に流されながらも、脳の冷静な一端が作動する。
怜が薄目で見た明の口元は、力なく微笑んでいた。
「そんな事、気にすんな。これからも俺の場所だし、ちゃんとしてるから」
明に言われて初めて気がついた。
怜の尻に当たる感触がソファとは違う。
明は屋上でだって出すのを拒否していた怜が、きっと言うだろうと判っていた。
だから怜が寝ている間に、いつも使っている大き目のバスタオルを敷いた。
帰って来て怜が寝ている姿を見て驚き、正直気持ちが挫けそうになったが、敷いている間は寝ていてくれてよかったと思った。
怜はご丁寧に準備万端な明に悪態の一つもつこうとしが、思考が付いていかず、後ろ手でバスタオルを握り締めた。
「アァ…っ」
快感の経験が乏しい怜が達したのは、明の掌だけだった。
頬に,髪に,首筋に、明は優しくキスをする。生理的に一筋流れた怜の涙を、唇で拭ってやる。
「大丈夫か?」
「はぁっ、はぁっ」
耳元でささやかれて明の低い良く通る声が、怜の脊髄を通って突き抜けるように、腰まで響く。
途切れない怜の弾んだ息が、返事代わりだった。
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