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「やっと、繋がれた……」
明は怜の耳元で囁いた。声が少し震えていた。
自分の物ではない様な怜の下半身が、辛うじてその響く声に反応する。
明は怜の乾いた唇を舐め、口付ける。
明は繋がっている部分を指でなぞった。怜は折られた足を震わせた。
少しだけ明が腰を引いた。
「んっ……ャ、ィヤダ」
自分の中で、生き物のように熱く脈打つ明の性器と腸壁が擦れるのが僅かでも判る。
身体は麻痺したように動かないのに、明を受け入れている所は少しずつ感覚を取り戻し、敏感になっている。
存在を確かめるように、明は再び押し入ってきた。
「あぁっ、あっ…ああっ、」
抜き差しは徐々に大きくなり、突き上げられる度に馬鹿みたいな声が漏れる。
聞こえる自分の耳が壊れてしまえばいいと怜は思った。けれど声を止められない。
怜に半分残った意識は自分を認識していて、苦しくて、気持ち悪くて。
だけど、身体の奥の奥に何かが燻り始めている。それが錯覚なのか現実なのかも判らない。
明が激しく衝いた時、指で当てられたあの場所に掠った。
「ァ、アッ!」
怜は、再び我を失った。
怜の先端から液が溢れ出す。
律動を繰り返す度、明の腹と怜の裏は擦れあっていた。
怜の液で更にぬるつき快感を呼ぶ。擦っていた筈だけれど、いつしか止まり握っていただけの明の手に、怜の精液が溢れ滴った。
「あ、アキラ、アキラ……」
うわ言のように怜は明の名前を呼んでいた。いつも何があった時も呼んでいたように。
聞いた事の無い怜の、上擦った溶け流れそうな声で名前を呼ばれ、明は身体を震わせた。
力の限り突き上げた後、明は放った。
怜は身体の中に、弾ける明の熱を受け止めた。
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