◆ドキドキお嬢さま

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これで何とか登下校の間は、くっつかれなくてすむだろう。 「そうなんだ。 それにしてもミキ、妙に嬉しそうね?」 「えっ、そ、そんなこと無いよ」 この娘の感は侮れんなぁ・・・これが女の感ってヤツか? 「ほら、あそこに見えてきた、あの白い家が私のうちよ」 「えっ、どこどこ?」 「あそこよ。 ほらっ」 みどりさんが、ゆびを指さした向こうには、お城のような白い建物が見えていた。  お約束の大きな門をくぐると、玄関の車寄せにロールスロイスが横付けされる。 同時に中から執事やメイドさんがずらりとお迎えに並ぶ。 「お帰りなさいませ。 お嬢様」 うわっ。 やっぱお嬢様って呼ばれてるよ。 メイドさん達が深々とお辞儀をしている真ん中を奥へと進む。 「さあ、私の部屋はあっちよ」 「それにしても凄い家ね」 玄関から一歩入ったそこは、大きなホールのようになっていて、床は大理石でピカピカだった。 「そうかな? 小さい頃から住んでいるから別に何とも思わないけど」 「そんなもんかな?」 それにしても1ステップあたりの奥行きが、こんなにある階段は初めて見るぞ! 「そんなものよ。 ほらっ、ここよ。 どうぞ♪」 あぁ、今まで一度も入ったことがない女の子の部屋。 しかもお嬢様の部屋だぞ。 って何を考えてるんだオレ。     
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