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これで何とか登下校の間は、くっつかれなくてすむだろう。
「そうなんだ。 それにしてもミキ、妙に嬉しそうね?」
「えっ、そ、そんなこと無いよ」
この娘の感は侮れんなぁ・・・これが女の感ってヤツか?
「ほら、あそこに見えてきた、あの白い家が私のうちよ」
「えっ、どこどこ?」
「あそこよ。 ほらっ」
みどりさんが、ゆびを指さした向こうには、お城のような白い建物が見えていた。
お約束の大きな門をくぐると、玄関の車寄せにロールスロイスが横付けされる。
同時に中から執事やメイドさんがずらりとお迎えに並ぶ。
「お帰りなさいませ。 お嬢様」
うわっ。 やっぱお嬢様って呼ばれてるよ。
メイドさん達が深々とお辞儀をしている真ん中を奥へと進む。
「さあ、私の部屋はあっちよ」
「それにしても凄い家ね」
玄関から一歩入ったそこは、大きなホールのようになっていて、床は大理石でピカピカだった。
「そうかな? 小さい頃から住んでいるから別に何とも思わないけど」
「そんなもんかな?」
それにしても1ステップあたりの奥行きが、こんなにある階段は初めて見るぞ!
「そんなものよ。 ほらっ、ここよ。 どうぞ♪」
あぁ、今まで一度も入ったことがない女の子の部屋。
しかもお嬢様の部屋だぞ。 って何を考えてるんだオレ。
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