◆ドキドキお嬢さま

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◆ドキドキお嬢さま

◆ドキドキお嬢さま その後、転校初日は何とか無事に過ぎていき、今は放課後である。 教室の掃除も終わり自分の身支度も済んで帰ろうとした時、一旦教室から出て行ったはずの、みどりさんがやって来た。 「それじゃミキ、一緒に帰ろう♪」 「うん。 でも本当にいいのかな?」 体育の授業の後、今日の帰りに、みどりさんの家に行く約束をしていたのだ。 「ええ、遠慮しないで。 さぁこっちよ」 「こっちって、でもそっちは職員室じゃ・・・」 みどりさんにグイグイ手を引かれて行くと、正面玄関に純白のロールスロイスが停まっていた。 「さぁ、乗って」 みどりさんがそう言うと、上品そうな運転手さんがドアを開けてくれる。 「みどりって凄い。 いつもクルマで通学してるんだ」 「うん。 あっ、そうだ!! これから毎朝、ミキの家に迎えに行こうか」 「えっ?・・・ いえ、そ、それは結構です」 オレは女の子らしくひらひらと両手を振って、丁重にお断りする。 クルマは静かに動き出し、海沿いの道を20分くらい走ったころだろうか。 「へ~ぇ。 みどりの家って、わたしのうちと反対方向なんだね」 オレはわざと大きめな声で、うちとは反対方向であることをアピールする。     
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