◆獣人

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◆獣人

◆獣人 遺跡の周辺は、そこだけ時間が止まってしまったような不思議な感じがした。 遺跡は想像以上に古いものだった。 なぜなら手を触れるだけで、ポロポロと崩れるほど風化が進んでいる。 ひとたび大きな風雨が襲えば、跡形もなく崩れさってしまいそうだ。 これでは、遺跡の中に踏み入ることは到底不可能であろう。 ただ、遺跡が残っているということは、文明を持った生き物が住んでいた証であり、今もその子孫が存在するかもしれないという希望が生まれた。 遺跡には中央に塔のような建物があり、その周りに階段状のピラミッドが幾つか築かれていた。 シルフは此処に来たことはあるの? 肩に止まっていると思って話しかけたのに、シルフはいつの間にか姿を消していた。 さっき通ってきた道沿いに、花がたくさん咲いていたので、蜜でも吸いにいったのかもしれない。 ぐぅーーー また、お腹が鳴った。 一番近いピラミッドに近づいてよく見れば、壁面には二本足で立つ動物のような彫刻がいくつもあった。 これが遺跡を建造した者達なのだろうか。 壁面の彫刻を眺めながら壁に沿って移動する。 グゥォーー     
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