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セレネ、こっちにあった。 早く来い。 シルフの声が遠くから聞こえてくる。
シルフの声を辿って、一本の大きな木の近くまで行ってみると、なるほど確かに緑色の大きな実が生っていた。
これは、すごく大きいな。 スイカのような実をカッターで枝から切り離してみると地面に落としそうになるくらい重い。
さっそく二つに割ってみると、中からとてつもなく大きなワームが出て来た。
キャーー
虫が大嫌いなあたしは、思わず絶叫する。
それはハズレ。 シルフがケタケタ笑う。
妖精って、そんな笑い方をするんだ。
近くにあった、もうひとつの実を取り、恐る恐る割ってみる。
今度は、大丈夫。 中に黄色い果肉がぎっしり詰まっていて、果汁もあふれ出す。
食べやすいサイズにカットし、さっそく頂く。
うまーーーっ
シルフ、これは本当に美味いな。 きみも食べるか?
シルフはニッコリ笑うとひらひらと飛んきて、カットした実の一つに止まり、果汁を飲み始めた。
緑の実をお腹いっぱい食べると、みるみる力が湧いてきた。
出発する前に、持ち運べるサイズの実がないか探してみるが、どれもすごく大きい。
残念だけど、携行には向かない食べ物なので、この実がある場所だけ覚えておくことにした。
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